奈良奉行・川路聖謨は、賭場で出会った青年鏡太郎と佐渡奉行時代の話を続けている。その中で国内巡見の話題が出た。川路が知った佐渡の村人たちの生活の実相とは。
「めかす」とは、そば殻と稗(ひえ)の中に、形ばかりの米を交えたもの。野菜や海草に少量の米を加えた「カテ飯」の一つ。当時の農民が米を十分に食べられたのは、冠婚葬祭、盆、正月など特別な機会に限られていた。